
院長:川瀬お気軽にご相談ください!
マラソンを始めてみたものの、足の裏やかかとに痛みが出てきた…なんて経験はありませんか?せっかくやる気になって走り始めたのに、痛みのせいで一歩踏み出せなくなってしまうのは、本当につらいですよね。実は、ランニングを始めた方に多く見られるその痛みは、足底筋膜炎である可能性がとても高いのです。
今回は、足底筋膜炎がどんな症状なのか、なぜマラソン初心者に起こりやすいのか、そして鍼灸でどのようにアプローチできるのかをお伝えしていきます。ぜひ最後まで読んでみてください。


走り始めた方が足の痛みを訴えてご来院されるケースは、本当に増えています。「少し休めば治る」と思って放置した結果、慢性化してしまうケースも多く、早めに原因を把握することがとても大切だと感じています


足の裏、特にかかとのあたりに痛みを感じたとき、多くの方は「疲れが溜まっているせいかな」「シューズが合っていないのかな」と思うのではないでしょうか。もちろんそういったことも原因のひとつになり得るのですが、走ることで繰り返し負荷がかかるうちに、足の裏にある重要な組織が炎症を起こしていることがあります。それが足底筋膜炎です。ここでは、その仕組みをわかりやすく解説していきます。
足の裏には、かかとの骨から足の指の付け根にかけて、「足底筋膜(そくていきんまく)」と呼ばれる頑丈な腱組織が広がっています。この組織は、歩いたり走ったりするときに地面からの衝撃を吸収し、足のアーチを保つ大切な役割を担っています。
走るたびに足底筋膜には体重の何倍もの負荷がかかります。この繰り返しの負荷によって組織に小さな傷が生じ、炎症や変性が起こったものが足底筋膜炎です。特にランニングを始めたばかりの方は、足がまだその負荷に慣れていないため、この状態になりやすいのです。
足底筋膜炎には、いくつかの特徴的なサインがあります。「自分はどうだろう?」と思いながら読んでみてください。
特に朝の最初の一歩での痛みは、足底筋膜炎のもっとも典型的なサインです。思い当たる方は、ぜひこのまま読み進めてみてください。
足底筋膜炎は、人口の約10%が経験するとも言われているほど、非常に一般的な足部の問題です。特に40代から60代の活動的な方に多く見られますが、ランニングを始めたばかりの方も注意が必要です。なぜ初心者がなりやすいのか、その背景にある複数の要因を丁寧に見ていきましょう。
これまであまり走ることのなかった方が、マラソン大会の参加を目標にして急に走り始めた場合、足の組織がその負荷に適応する時間がありません。筋肉や腱は少しずつ刺激に慣れていくものですが、急な運動量の増加はその適応を追い越してしまいます。
「週末に急に10km走ってみた」「大会まで時間がないから毎日走っている」といったケースは、足底筋膜へのダメージが蓄積しやすい状況です。
マラソン初心者にとって、シューズの選択は非常に重要です。クッション性や安定性が不足したシューズで走ると、着地のたびに足底筋膜への衝撃が大きくなります。また、サイズが合っていないシューズは足のアーチのサポートが不十分になり、炎症が起きやすくなります。
スポーツ用品店で勧められたものをとりあえず買った、という方は、自分の足型に合っているかを改めて確認することも大切です。
足のアーチが低い「扁平足」や、反対にアーチが高すぎる「ハイアーチ」の方は、走ったときの足底筋膜への負担が偏りやすいため、炎症が起きやすいと言われています。
また、ふくらはぎやアキレス腱の柔軟性が低いと、足底筋膜への引っ張り力が増してしまいます。ストレッチ不足でかたくなった脚の筋肉が、足の裏の組織に余分な負荷をかけているケースも非常に多いです。
40代以降になると、足底筋膜を含む腱組織の弾力性が少しずつ低下します。若いころは問題なかった運動量でも、体に与えるダメージが変わってきます。また、体重が重いほど着地時に足底筋膜にかかる負荷も大きくなるため、肥満傾向にある方は特に注意が必要です。
「走るのを少し控えれば自然に治るだろう」と考える方も多いのですが、残念ながら足底筋膜炎はそう単純ではありません。適切なアプローチをしないまま放置を続けると、痛みが慢性化して治りにくくなるだけでなく、足底筋膜が完全に断裂し、手術が必要になる可能性もあります。
足の痛みを庇うような歩き方が続くと、膝や股関節、腰にまで影響が及ぶこともあります。実際に「足の裏を庇って歩いていたら膝も痛くなってきた」というご相談は少なくありません。症状が軽いうちに正しい対処をすることが、体全体を守ることにもつながります。
市販の湿布や痛み止めは、炎症を一時的に抑える効果はあっても、なぜ足底筋膜炎が起きているのかという根本的な原因には何も働きかけていません。
マッサージも同じで、その場では楽になっても、足のアーチの崩れや筋肉の硬さが改善されていなければ、走るたびに同じことを繰り返すことになります。「毎回湿布を貼って、少し良くなったらまた走って…」というサイクルから抜け出すには、根っこにある原因を探って対処することが大切です。
27年間、さまざまな足の痛みを抱えた方々の施術に携わってきて、ひとつだけ断言できることがあります。それは、足底筋膜炎の原因は必ずしもひとつではないということです。
足裏への過剰な負担、足のアーチの問題、シューズの不適合、ふくらはぎの柔軟性の低下、姿勢の歪み、加齢による組織の変化。これらが複雑に絡み合って、足底筋膜炎という症状として現れます。そのため、「どれが原因か」を丁寧に調べることなく、とりあえずストレッチをしたりインソールを入れたりするだけでは、改善の方向性が定まらないことも多いのです。
私が施術において最も大切にしているのが「検査」です。最新の姿勢分析システムを使い、足だけでなく全身の姿勢や重心のバランスを客観的に評価します。問診と組み合わせることで、その方の足底筋膜炎がどんな要因から生じているのかを明確にしてから施術を始めます。
原因を取り違えたまま施術を進めても、根本的な改善は難しいです。逆に言えば、原因さえ特定できれば、改善へのルートが見えてくるということでもあります。
「足の痛みに鍼灸?」と意外に思われる方もいるかもしれません。でも、足底筋膜炎に対して鍼灸は非常に有効なアプローチができます。なぜ効果が期待できるのか、その理由をわかりやすくお伝えします。
足底筋膜炎に関わる筋肉は、足底だけでなく、ふくらはぎや足首まわり、さらには太ももや臀部にまで及ぶことがあります。表面からのマッサージでは届きにくい深部の筋肉に対して、鍼は直接アプローチすることができます。
硬くなった筋肉が緩むことで、血流が改善され、炎症が起きている組織への栄養供給が促されます。痛みの軽減だけでなく、組織の回復を助ける働きも期待できます。
当院では、足底筋膜炎に対して足裏だけを見るのではなく、全身の筋肉バランスや姿勢も含めた総合的なアプローチを行います。例えば、骨盤の傾きや股関節の柔軟性が足底の負荷に影響していることも少なくありません。
体全体のバランスを整えることが、足底筋膜炎の再発防止にもつながります。「また走ったら痛くなった」という繰り返しから抜け出すためにも、局所だけでなく全体を診る視点が大切です。
よくご質問いただくのが、「どのくらいで良くなりますか?」ということです。個人差はありますが、適切な施術を続けた場合、軽症であれば1〜2ヶ月、中程度の症状では3〜6ヶ月ほどで改善に向かうことが多いです。症状が長期化していた場合はそれ以上かかることもありますが、早めに対処するほど回復も早くなります。
足の痛みを抱えながら来院された方々が、施術を重ねる中でどのような変化を感じられたかをいくつかご紹介します。
もちろん、改善の程度や期間は一人ひとり異なります。ただ、諦める前に一度しっかりと原因を調べることで、変化が生まれる可能性があります。
「マラソンを楽しみたい」「走ることで健康になりたい」という気持ちで踏み出した一歩が、足の痛みによって止まってしまっているとしたら、こんなにもったいないことはありません。
長年、地域の方々の足の痛みに向き合ってきた立場から申し上げます。足底筋膜炎は、原因を正しく把握して適切なアプローチをすれば、決して治らない症状ではありません。病院や整骨院に行っても改善しなかった方、湿布やストレッチで誤魔化し続けてきた方にこそ、ぜひ一度当院の検査を受けていただきたいと思っています。一人で抱え込まず、いつでも気軽にご相談ください。



