
院長:川瀬お気軽にご相談ください!
アイユート鍼灸院の川瀬です。耳の聞こえが突然悪くなって、ネットで調べたら「48時間以内」「1週間以内」という情報ばかりで不安になっていませんか。もう数日経ってしまったけれど、今から病院に行っても間に合うのだろうかと迷っている方もいらっしゃるかもしれませんね。
突発性難聴の治療開始時期については、様々な情報が飛び交っていて混乱してしまいますよね。今回は27年間で10万人以上を診てきた経験から、突発性難聴の治療タイムリミットについて、それぞれの時期でどのような対応ができるのか詳しくお伝えします。


発症からの経過時間によって治療方針は変わりますが、諦める必要はありません


突発性難聴の治療において最も重要なのは、発症からの経過時間です。よく「48時間以内が勝負」「1週間を過ぎたら手遅れ」といった情報を目にしますが、実際にはもう少し複雑なんですね。確かに早ければ早いほど良いのは間違いありませんが、それぞれの時期で取れる対応があります。
発症から48時間以内に治療を開始した場合、聴力回復率は約60〜70%とされています。この時期は内耳の有毛細胞がまだダメージを受けただけで完全に死滅していない状態なので、適切な治療により血流を改善し酸素を供給することで細胞の回復が期待できるんです。ステロイド療法が最も効果を発揮するのもこの時期です。
しかし1週間を過ぎると回復率は30〜40%程度まで低下します。2週間を超えると更に回復率は下がり、1ヶ月を過ぎると西洋医学的には症状が固定してくると考えられています。ただしこれはあくまで統計的な数字であり、個人差が非常に大きいという点を理解しておく必要があります。
| 経過時間 | 回復率の目安 | 推奨される対応 |
|---|---|---|
| 48時間以内 | 60〜70% | 即座に耳鼻科受診・ステロイド療法開始 |
| 1週間以内 | 40〜50% | 緊急で耳鼻科受診・ステロイド大量療法 |
| 2週間以内 | 20〜30% | 耳鼻科での治療継続・鍼灸併用検討 |
| 1ヶ月以内 | 10〜20% | 鍼灸などの代替療法を積極的に活用 |
| 3ヶ月以内 | 5〜10% | 症状改善・生活の質向上を目標に |
症状が出てから数日経ってしまったという方、まだ十分に間に合います。確かに理想的な48時間は過ぎてしまったかもしれませんが、1週間以内であればステロイド治療の効果は十分期待できるんです。
この段階で大切なのは、すぐに行動を起こすことです。「明日でいいかな」「週末に行こう」という判断が、さらに回復率を下げることになります。仕事があっても半休を取る、予約が取れなくても飛び込みで受診する、そのくらいの緊急性があると考えてください。
また、病院での治療と並行して鍼灸治療を開始することをお勧めします。ステロイドによる炎症抑制効果に加えて、鍼灸による血流改善効果を組み合わせることで、相乗効果が期待できるからです。実際に当院でも、病院での治療開始と同時に鍼灸を始められた方の改善率は高い傾向にあります。
多くの方が最初の数日を様子見してしまう理由があります。突発性難聴の初期症状は「耳が詰まった感じ」「少し聞こえにくい」という程度のことが多く、風邪や疲れと区別がつきにくいんですね。エレベーターに乗った時のような感覚だったり、水が入ったような感じだったりと、深刻な病気だとは思わないケースが大半です。
しかし突発性難聴の場合、この軽い症状が改善せず徐々に悪化していくのが特徴です。3日経っても治らない、むしろ耳鳴りが強くなってきた、そこで初めて不安になって検索し、48時間という言葉を見て焦るという流れなんですね。
発症から1〜2週間経過してしまった方は、「もう手遅れかもしれない」という不安でいっぱいだと思います。確かに最も効果的な時期は過ぎてしまいましたが、完全に諦める段階ではありません。この時期からでも改善する可能性は残されています。
西洋医学的なアプローチとしては、ステロイドの大量投与や高気圧酸素療法などが検討されます。ただし効果は個人差が大きく、また副作用のリスクも考慮する必要があります。そこで当院では、この時期からは東洋医学的アプローチを積極的に取り入れることをお勧めしています。
鍼灸治療、特に当院で行っているYNSA(山元式新頭鍼療法)は、発症から2週間程度経過した方でも効果が見られることがあります。頭部への鍼刺激により脳幹部の血流を改善し、内耳への酸素供給を促進する。また自律神経のバランスを整えることで、身体の自己治癒力を最大限に引き出すことができるんです。
発症から2週間程度経過している場合、完全な聴力回復を目指すよりも、現実的な目標を設定することが大切です。完治までは難しくても、日常生活に支障のないレベルまで回復することは十分可能なんですね。
例えば聴力が30%しか戻らなくても、耳鳴りが軽減すれば生活の質は大きく向上します。会話が何とか聞き取れるレベルになれば、仕事への復帰も可能です。また反対側の耳への負担を減らすことで、将来的な聴力低下のリスクも軽減できます。
発症から1ヶ月以上経過し、既に病院で「症状固定」と言われてしまった方もいらっしゃるかもしれません。耳鼻科での治療は終了し、補聴器を勧められている段階かもしれませんね。
しかし東洋医学的な視点では、1ヶ月で全てが終わりというわけではありません。確かに劇的な聴力改善は難しくなりますが、耳鳴りの軽減、めまいの改善、残存聴力の活用といった形での改善は期待できるんです。
当院では発症から3ヶ月、半年経過した方でも、鍼灸治療により生活の質が向上した例を多く経験しています。完全に諦めてしまう前に、一度ご相談いただきたいんですね。聴力の数値だけでなく、その人の生活全体を改善していくというアプローチが、東洋医学の強みです。
発症から時間が経過している場合は、短期決戦ではなく3ヶ月から半年という長期的な視点で改善を目指します。週2回程度の鍼灸治療を継続しながら、生活習慣の改善、ストレス管理、栄養バランスの見直しなど、総合的なアプローチを行っていきます。
また頚椎の歪みや頭蓋骨の位置異常が内耳への血流を慢性的に阻害しているケースも多く、当院の姿勢分析システムで詳しく検査することで、構造的な問題を特定できます。こうした身体の歪みを整えることで、内耳環境を長期的に改善していくんですね。
突発性難聴の治療において、当院が最も重視しているのが徹底的な検査です。同じ突発性難聴でも、原因や背景は一人ひとり全く異なります。ストレスが主因の方、頚椎に問題がある方、自律神経の乱れが強い方、それぞれに最適な施術は変わってくるんです。
最新の姿勢分析システムで身体全体のバランスを可視化し、整形外科的検査で頚椎や筋肉の状態を確認します。さらに東洋医学的な脈診や舌診により、体質や内臓の状態まで把握する。こうした多角的な検査により、なぜあなたが突発性難聴を発症したのか、その根本原因を特定していきます。
当院で突発性難聴に対して主に用いているのが、YNSA(山元式新頭鍼療法)という頭部への鍼治療です。この技術は即効性と再現性が高く、内耳への血流改善に非常に効果的なんですね。
頭部の特定のポイントに鍼を刺すことで、脳幹部への刺激が伝わり、内耳への血管が拡張します。また脳の可塑性を利用して、聴覚中枢の機能を活性化させることもできるんです。西洋医学で改善しきれなかった難聴に対しても、新たなアプローチとして期待できる技術です。


もし理想的な治療開始時期を逃してしまったとしても、自分を責める必要はありません。突発性難聴の症状は最初は軽微なことが多く、誰でも様子見してしまうものなんです。大切なのは、今この瞬間から最善の対応を取ることです。
1週間過ぎたから諦める、1ヶ月過ぎたから何もしないというのは、あまりにももったいない選択です。確かに回復率は下がりますが、ゼロになるわけではありません。統計はあくまで平均であり、あなた自身がどうなるかは試してみなければわからないんですね。
また聴力が完全に元通りにならなくても、耳鳴りが楽になる、めまいがなくなる、音の聞こえ方が改善するといった変化だけでも、生活の質は大きく向上します。補聴器を使う場合でも、残存聴力を最大限活用できる状態にしておくことが重要です。
突発性難聴で辛いのは、外見では分からないため周囲に理解されにくいという点です。片耳が聞こえにくいだけでも、会話のストレス、仕事の支障、精神的な疲労は相当なものなんですね。
家族や職場の方に、自分の状態を正直に伝えることも治療の一部です。聞き返すことが多くなる、電話が苦手になる、騒がしい場所が辛いといったことを理解してもらえれば、心理的な負担が軽減されます。ストレスの軽減は、突発性難聴の改善にも良い影響を与えます。
発症からの経過時間に関わらず、今すぐ始められることがあります。まず十分な睡眠を確保してください。睡眠不足は内耳への血流を悪化させ、回復を妨げます。次に首や肩の緊張をほぐすこと。温めたタオルで首を温める、軽いストレッチをするだけでも効果があります。
また大音量を避ける、イヤホンの使用を控える、静かな環境で過ごす時間を増やすなど、耳への負担を減らすことも大切です。飲酒や喫煙は血流を悪化させるため、治療期間中は控えめにしましょう。
栄養面ではビタミンB群、亜鉛、マグネシウムなど、神経や血管の健康に関わる栄養素を意識的に摂取してください。サプリメントに頼るよりも、バランスの良い食事を心がける方が効果的です。


突発性難聴の治療時期については、確かに早ければ早いほど良いという原則があります。しかし時期を逃したからといって、全てが終わりというわけでは決してありません。それぞれの時期に合わせた最適なアプローチがあり、改善の可能性は常に残されているんです。
27年間の臨床経験の中で、発症から時間が経っていても諦めずに治療を続けた方が、予想以上の改善を遂げる姿を何度も見てきました。統計や一般論は参考にはなりますが、あなた自身の回復力は誰にも予測できません。
当院では発症からの経過時間に関わらず、その時点でのベストな施術プランをご提案します。西洋医学で効果が不十分だった方、発症から時間が経ってしまった方、どのような状況でも一度ご相談ください。聴力の数値だけでなく、あなたの生活全体の質を向上させることを目指して、全力でサポートさせていただきます。一人で不安を抱え込まず、今できることから始めていきましょう。

