
院長:川瀬お気軽にご相談ください!
膝が痛いけれど、病院に行く時間がない。まずは自分でできることを試してみたい。そんなふうに思っていませんか。アイユート鍼灸院の川瀬です。膝の痛みで悩んでいる方の多くが、自宅でできるケアの方法を探しています。実際、適切な方法で取り組めば、軽度から中等度の膝の痛みはある程度自分で改善することができるんです。
ただし大切なのは、正しい知識に基づいたケアを行うことです。間違った方法で続けてしまうと、かえって悪化させてしまうこともあります。当院にも「ネットで見た体操をやったら余計痛くなった」という方が来られることがあります。
今回は膝痛のために自宅でできる基本的なケア方法と、その注意点についてお話しします。自分でできる範囲と、専門家に診てもらうべきタイミングの見極め方も知っておいてください。


セルフケアは継続が大切ですが、やり方を間違えないことも同じくらい重要です


膝の痛みの多くは、膝周辺の筋肉が硬くなっていることや、筋力が低下していることが原因です。特に太ももの前側にある大腿四頭筋という筋肉が弱くなると、膝関節を支える力が不足して、関節に直接負担がかかるようになります。このため適切なストレッチで筋肉をほぐし、筋力トレーニングで支える力を強化することが、膝痛改善の基本になるのです。
また膝の痛みには血流の悪さも関係しています。筋肉が硬く凝り固まっていると血液の流れが悪くなり、痛みを感じやすくなります。ストレッチやマッサージで血流を改善することで、痛みが和らぐ効果が期待できます。
さらに適度な運動は関節液の循環を促します。関節液は膝の軟骨に栄養を届ける役割を持っているため、動かさずにじっとしているよりも、適切に動かしたほうが膝の健康には良いのです。ただし「適切に」というのがポイントで、やりすぎは逆効果になります。
まず取り組んでほしいのが太もものストレッチです。椅子に座った状態で片足を伸ばし、つま先を手前に引き寄せるようにして太ももの裏側を伸ばします。反対側も同じように行い、それぞれ20秒から30秒キープしてください。呼吸を止めずにゆっくりと伸ばすのがコツです。
次に太ももの前側のストレッチです。横向きに寝て、上側の足の甲を手で持ち、かかとをお尻に近づけるようにします。このとき腰が反らないように注意してください。こちらも20秒から30秒キープします。立った状態でもできますが、バランスを崩しやすいので最初は寝た状態で行うのがおすすめです。
ふくらはぎのストレッチも重要です。壁に両手をついて立ち、片足を後ろに引いてかかとを床につけたまま前に体重をかけます。後ろ足のふくらはぎが伸びるのを感じながら20秒キープしてください。ふくらはぎが硬いと膝への負担が増えるため、ここをしっかり伸ばすことが大切です。
椅子に座って行う簡単なトレーニングがあります。椅子に深く腰かけ、片足をゆっくり伸ばして水平まで持ち上げます。5秒キープしてからゆっくり下ろす、これを10回繰り返します。反対側も同様に行ってください。これだけで大腿四頭筋が鍛えられます。
もう少し強度を上げたい方は、スクワットに挑戦してみてください。ただし膝に痛みがある場合は浅めのスクワットにとどめます。足を肩幅に開いて立ち、椅子に座るような動作で腰を落とします。膝がつま先より前に出ないように注意しながら、無理のない範囲で行ってください。10回を1セットとして、1日2セットから始めましょう。
横向きに寝て行う中殿筋のトレーニングも効果的です。下側の足を曲げて安定させ、上側の足をまっすぐ伸ばしたまま持ち上げます。お尻の横の筋肉を使っている感覚があれば正解です。10回持ち上げたら反対側も同じように行います。中殿筋は骨盤を支える筋肉で、ここが弱いと膝に負担がかかりやすくなります。
膝のお皿は膝蓋骨と呼ばれる骨で、実はこれが動きにくくなっていると膝痛の原因になります。座った状態で膝を伸ばし、膝のお皿を両手で優しくつかんで上下左右に動かしてみてください。最初は硬くて動きにくいかもしれませんが、毎日続けることで少しずつ動くようになります。
お皿の周りを指で円を描くようにマッサージするのも有効です。痛みのない範囲でゆっくりと行うのがポイントで、無理に強く押す必要はありません。膝周辺の血流を促すイメージで、優しく丁寧にほぐしていきます。
このマッサージはお風呂上がりに行うと効果的です。体が温まって筋肉がほぐれているタイミングで行うことで、より動かしやすくなります。1日1回、5分程度でも十分ですので、習慣にしてみてください。


東洋医学では古くから膝の痛みに対してツボ療法が用いられてきました。自宅で簡単に押せるツボをいくつかご紹介します。まず膝のお皿の内側と外側のくぼみにある「内膝眼」と「外膝眼」というツボです。膝を曲げたときにできるくぼみを、親指でゆっくり押してみてください。
次に膝のお皿の下、すねの骨の外側にある「足三里」というツボも膝痛に効果的です。このツボは胃腸の働きも整えるため、体全体の元気を高める万能のツボとして知られています。膝から指4本分下がったところにあり、やや強めに押すと響くような感覚があります。
また膝の裏側の中央にある「委中」というツボは、膝痛だけでなく腰痛にも効果があります。立ったまま両手で膝を抱えるようにして、親指で膝裏の中心を押してみてください。血流が良くなり、膝の重だるさが軽減します。
ツボを押すときは呼吸に合わせてゆっくり押すのがコツです。息を吐きながら3秒かけて押し、息を吸いながら力を抜きます。これを3回から5回繰り返してください。強く押しすぎると筋肉が緊張してしまうので、痛気持ちいいくらいの強さで十分です。
セルフケアの運動だけでなく、日常生活での工夫も膝痛改善には欠かせません。まず正座は避けてください。膝を深く曲げる姿勢は関節に大きな負担をかけます。座るときは椅子を使う、床に座るなら足を崩して座るようにしましょう。
階段の昇り降りも膝への負担が大きい動作です。可能であればエレベーターやエスカレーターを使う、階段を使う場合は手すりにつかまってゆっくり昇り降りするといった工夫をしてください。降りるときのほうが膝への負荷が大きいので、特に注意が必要です。
体重管理も重要なポイントです。体重が1キロ増えると、膝にかかる負担は歩行時で約3倍、階段では約5倍になると言われています。少しでも体重を減らす努力をすることが、膝への負担軽減につながります。無理なダイエットは必要ありませんが、食事の量を少し減らす、間食を控えるといった小さな工夫から始めてみてください。
東洋医学の視点から見ると、膝の痛みには冷えが深く関係していることが多いです。体が冷えると血流が悪くなり、筋肉が硬くなって関節の動きも悪くなります。特に冬場や冷房の効いた部屋にいるときは、膝を冷やさないように気をつけてください。
膝用のサポーターやレッグウォーマーを使うのも一つの方法です。ただし締めつけが強すぎると逆に血流を妨げてしまうので、適度な圧のものを選びましょう。また夜寝るときに靴下を履く、湯船にしっかり浸かって体を温めるといった習慣も膝痛改善に役立ちます。
痛みが強いときは温めるか冷やすか迷うかもしれません。基本的には急性期の炎症があるときは冷やし、慢性的な痛みには温めるのが原則です。膝が熱を持って腫れているときはアイシング、慢性的に重だるい痛みがあるときは温熱療法が適しています。


ここまでセルフケアの方法をお伝えしてきましたが、すべての膝痛が自分で治せるわけではないことも理解しておいてください。軽度から中等度の筋肉や関節の問題であればセルフケアで改善が期待できますが、重度の変形性膝関節症や半月板損傷、靱帯損傷などは専門的な治療が必要です。
2週間から1ヶ月セルフケアを続けても改善が見られない場合、痛みがどんどん強くなる場合、膝が大きく腫れている場合、膝に力が入らず歩けない場合などは、速やかに医療機関を受診してください。我慢して悪化させてしまうと、治療に時間がかかることになります。
また正しい方法でセルフケアができているか不安な方、自分の膝の状態がどの程度なのか知りたい方は、一度専門家に診てもらうことをおすすめします。適切な評価を受けたうえでセルフケアを行えば、より効果的で安全です。
当院では姿勢分析システムを使って、立ち姿勢や歩き方を客観的に評価します。どこに負担がかかっているのか、なぜ膝が痛くなっているのかを数値で確認できるため、より的確なアドバイスができます。そのうえで自宅でできるセルフケアの方法も、あなたの状態に合わせて具体的にお伝えします。
当院の施術と、自宅でのセルフケアを組み合わせることで、改善のスピードは格段に上がります。施術で体のバランスを整え、セルフケアでその状態を維持するという相乗効果が生まれるのです。
また東洋医学的な視点から冷えや気血の巡りも診ていきます。体質に合わせた生活習慣のアドバイスや、食事の工夫、効果的なツボの押し方なども含めて総合的にサポートします。西洋医学と東洋医学の両方の視点から膝痛を診ることで、見落とされがちな原因にも気づくことができます。
セルフケアで最も大切なのは継続することです。1日や2日で劇的に変わるものではありませんが、毎日コツコツと続けることで確実に変化が現れます。理想は朝晩の1日2回、それが難しければ1日1回でも構いません。生活の中に組み込んで習慣にすることがポイントです。
最初は効果が感じられなくても、諦めずに続けてください。多くの方が2週間から1ヶ月くらいで「少し楽になってきた」と感じ始めます。そこからさらに続けることで、より安定した改善が得られるようになります。
ただし痛みが強いときに無理をする必要はありません。その日の体調に合わせて、できる範囲で行うことが長く続けるコツです。完璧を目指すのではなく、まずは継続することを優先してください。
膝の痛みに対するセルフケアは、正しい方法で継続的に行えば確かな効果が期待できます。ストレッチで筋肉をほぐし、筋力トレーニングで膝を支える力をつけ、ツボ療法で気血の巡りを整え、日常生活での負担を減らす工夫をする。この4つの柱を意識して取り組んでください。
ただしセルフケアにも限界があることを忘れないでください。改善が見られない場合や痛みが強い場合は、専門家に相談することが大切です。また正しい方法で行えているか不安な方も、一度プロの目で診てもらうことをおすすめします。
膝の痛みで悩んでいる方、セルフケアをやっているけれどこれで合っているのか不安な方、もっと効果的な方法を知りたい方は、一人で抱え込まずにぜひ一度ご相談ください。当院では27年間で延べ10万人以上の施術実績があり、膝痛の改善についても豊富な経験があります。最新の姿勢分析システムで原因を特定し、あなたに最適なセルフケアの方法と施術プランをご提案します。自分でできることと専門家の力を借りるべきことを見極めながら、一緒に膝痛の改善を目指していきましょう


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