
院長:川瀬お気軽にご相談ください!
アイユート鍼灸院の川瀬です。最近忙しくて睡眠時間が削られていませんか。そして夜になると「キーン」という耳鳴りが気になって、余計に眠れなくなっているという方もいらっしゃるのではないでしょうか。
実は睡眠不足と耳鳴りには深い関係があり、悪循環に陥りやすいんです。寝不足で耳鳴りが起こり、耳鳴りが気になって眠れない、さらに睡眠不足が悪化するという負のスパイラルに入ってしまうことが多いんですね。


睡眠不足による耳鳴りは自律神経と血流の問題が関わっており、適切な対処で改善できます


今回は27年間で10万人以上を診てきた経験から、なぜ睡眠不足で耳鳴りが起こるのか、そしてその悪循環を断ち切る具体的な方法について詳しくお伝えしていきます。
睡眠不足が続くと、身体には様々な変化が起こります。その中でも耳鳴りに直接関わっているのが、自律神経の乱れと血流の悪化です。睡眠は自律神経のバランスを整える重要な時間で、十分な睡眠が取れないと交感神経が過剰に働き続けてしまうんですね。
交感神経が優位な状態が続くと、全身の血管が収縮して血流が悪化します。内耳は非常に繊細な器官で、わずかな血流不足でも機能が低下してしまいます。内耳への血流が不足すると、有毛細胞という音を感じ取る細胞が正常に働かなくなり、実際には存在しない音を感じてしまう。これが耳鳴りのメカニズムなんです。
さらに睡眠不足はストレスホルモンの分泌を増やします。コルチゾールというストレスホルモンが過剰になると、内耳の環境が悪化し耳鳴りが発生しやすくなります。疲労が蓄積すると首や肩の筋肉も緊張し、頭部への血流がさらに阻害されるという悪循環に陥るんですね。
耳鳴りには「キーン」という高音タイプと「ジー」「ゴー」という低音タイプがあります。睡眠不足に関連する耳鳴りは、高音タイプが多い傾向があります。交感神経の過剰な興奮により、聴神経が敏感になっているためと考えられます。
低音タイプの耳鳴りは、内耳のリンパ液の循環不良が関係していることが多く、これも睡眠不足による自律神経の乱れで悪化します。どちらのタイプであっても、睡眠の質を改善することが症状軽減の第一歩になるんです。
睡眠不足で耳鳴りが起こり、その耳鳴りが気になって眠れない。この悪循環が最も厄介な問題です。静かな夜になると耳鳴りが目立ち、それに意識が向いてしまうと余計に眠れなくなります。焦りや不安が強まると交感神経がさらに優位になり、耳鳴りも悪化するという負のスパイラルに陥ってしまうんですね。
この悪循環を断ち切るには、まず「耳鳴りがあっても大丈夫」という心の余裕を持つことが大切です。耳鳴りに過度に反応せず、「疲れているサインだ」と受け止める。そして意識的に副交感神経を優位にする行動を取ることで、徐々に改善していきます。
実際に当院に来られる患者さんの多くは、この悪循環に陥っています。しかし適切なアプローチで自律神経を整え、睡眠の質を改善することで、耳鳴りも軽減していくケースがほとんどなんです。諦める必要はありません。


まず就寝時刻の2時間前から、リラックスモードに入る準備を始めてください。照明を暗めにし、スマホやパソコンのブルーライトを避けます。ブルーライトは脳を覚醒させ、メラトニンという睡眠ホルモンの分泌を妨げるためです。
入浴は就寝の1〜2時間前に済ませましょう。38〜40度のぬるめのお湯に15〜20分ゆっくり浸かることで、副交感神経が優位になります。入浴後、体温が下がり始めるタイミングで眠気が訪れるので、このリズムを利用するんですね。
寝室の環境も重要です。適度な暗さと静けさ、快適な温度を保つこと。ただし完全な静寂は逆に耳鳴りが目立つため、小さな音量で自然音や環境音を流すのも効果的です。波の音や雨の音などの単調な音は、耳鳴りをマスキングし気にならなくする効果があります。
夜の睡眠を改善するには、日中の過ごし方も重要です。規則正しい生活リズムを作ることが、自律神経のバランスを整える基本になります。毎日同じ時間に起床し、朝日を浴びることで体内時計がリセットされます。
適度な運動も効果的です。ウォーキングや軽いジョギングなど、リズミカルな運動は自律神経を整え、夜の睡眠の質を高めます。ただし激しい運動は交感神経を刺激するため、就寝の3時間前までに済ませてください。軽いストレッチやヨガは就寝前でも問題ありません。
カフェインの摂取にも注意が必要です。コーヒーや紅茶、エナジードリンクに含まれるカフェインは、体内に長時間残ります。午後3時以降はカフェイン飲料を避け、水や麦茶、ハーブティーなどに切り替えましょう。アルコールも睡眠の質を下げるため、寝酒は逆効果なんです。
睡眠の質を高める栄養素を意識的に摂取することも大切です。トリプトファンというアミノ酸は、セロトニンを経てメラトニンに変換され、睡眠を促します。大豆製品、バナナ、ナッツ類、乳製品などに多く含まれています。
マグネシウムは神経の興奮を抑え、リラックス効果があります。海藻類、ほうれん草、アーモンドなどを積極的に摂りましょう。ビタミンB群も神経系の働きをサポートするため、豚肉、レバー、玄米などがお勧めです。
睡眠不足で疲労が蓄積すると、首や肩の筋肉が緊張します。長時間のデスクワーク、スマホの使用、ストレスなどでさらに悪化するんですね。この首肩のコリが、実は耳鳴りを悪化させる大きな要因になっています。
首の筋肉が緊張すると、頭部への血管が圧迫され内耳への血流が不足します。また頚椎の歪みが神経を刺激し、耳鳴りの原因になることもあります。首肩のコリを解消することで、耳鳴りが軽減するケースは非常に多いんです。
デスクワークの合間に、簡単なストレッチを取り入れてください。首をゆっくり左右に倒す、前後に動かす、回すといった動きを各10秒ずつ。決して急激な動きや無理な姿勢は避け、気持ちよく伸びる範囲で行います。
肩回しも効果的です。両肩を上げてから後ろに大きく回す動きを5回、前回しも5回行ってください。これだけで首から肩、背中にかけての血流が改善されます。1時間に1回程度の頻度で実践すると、コリの蓄積を防げます。
温めることも重要です。蒸しタオルを首の後ろに当てる、入浴時に首までしっかり温まる、使い捨てカイロで首を温めるなど、日常的に首肩を温める習慣をつけましょう。血流が改善されることで、耳鳴りも軽減しやすくなります。
東洋医学では、耳は腎と肝の働きと関係が深いと考えます。睡眠不足が続くと腎の精が消耗し、耳の症状として現れやすくなるんですね。また肝は自律神経の調整に関わり、ストレスや睡眠不足で肝の気が乱れると耳鳴りが発生します。
当院では最新の姿勢分析システムで身体全体のバランスを詳しく検査し、どこに問題があるのかを特定します。頚椎の状態、筋肉の緊張パターン、自律神経のバランスなど、多角的に評価することで根本原因にアプローチできるんです。
当院で睡眠不足による耳鳴りに対して用いているのが、YNSA(山元式新頭鍼療法)という頭部への鍼治療です。頭部の特定のポイントに鍼を刺すことで、自律神経が整い内耳への血流が改善されます。即効性があり、施術直後に耳鳴りが軽減する方も多いんですね。
またYNSAは脳のリラックス効果もあり、睡眠の質を高める働きがあります。施術後に深く眠れるようになった、朝の目覚めが良くなったという声を多くいただいています。睡眠と耳鳴りの両方にアプローチできる点が、この技術の大きな強みです。


睡眠不足による耳鳴りの多くは、休息と生活習慣の改善で良くなります。しかし中には専門的な治療が必要な耳鳴りもあるため、見極めが大切です。片耳だけの耳鳴りが突然始まった、めまいや吐き気を伴う、聴力が急に低下した、耳鳴りがどんどん悪化しているという場合は、すぐに耳鼻咽喉科を受診してください。
突発性難聴やメニエール病など、緊急性の高い疾患の可能性があります。これらは早期治療が重要なので、様子を見ずにすぐに受診することをお勧めします。一方で慢性的な耳鳴りで、睡眠不足や疲労との関連が明らかな場合は、生活習慣の改善と鍼灸治療で対応できることが多いんです。
不眠が続くと睡眠薬を処方されることもあります。適切に使えば睡眠の質は改善されますが、根本的な解決にはならないことも理解しておく必要があります。睡眠薬で眠れても、耳鳴りの原因である自律神経の乱れや血流不良は残ったままなんですね。
薬を使いながらも、生活習慣の改善や鍼灸治療を並行することをお勧めします。徐々に薬の量を減らしていき、最終的には薬なしで眠れる状態を目指す。そのサポートを当院では行っています。


睡眠不足で耳鳴りが起こり、耳鳴りが気になって眠れない。この悪循環に陥ると、日常生活の質が大きく低下してしまいます。仕事の集中力が落ちる、イライラしやすくなる、疲れが取れない、さらなるストレスで耳鳴りが悪化するという負のスパイラルです。
しかしこの悪循環は、必ず断ち切ることができます。睡眠の質を改善し、自律神経を整え、首肩のコリを解消する。一つひとつは小さな変化でも、積み重ねることで大きな改善につながるんです。27年間で多くの方がこの悪循環から抜け出し、快適な日常を取り戻されています。
当院では睡眠不足による耳鳴りに対して、詳細な検査に基づいた個別対応の施術を行っています。YNSA(山元式新頭鍼療法)による自律神経調整、姿勢分析による構造的問題の特定、そして生活習慣の具体的なアドバイスまで、総合的にサポートします。
「忙しくて睡眠時間が取れない」という方も多いですが、睡眠は削ってはいけない最優先事項です。身体からの警告サインである耳鳴りを放置せず、今できることから始めてください。そして一人で悩まず、専門家のサポートも活用してほしいんです。睡眠不足と耳鳴りの悪循環から抜け出し、質の高い睡眠と静かな夜を取り戻すために、私たちができることがきっとあります。いつでもお気軽にご相談ください。

